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卒業生の活躍

卒業生の活躍

卒業生の活躍

東京純心女子学園創立50周年記念
卒業生によるパネルディスカッション「21世紀を担う女性に求められる力」資料より(平成26年5月29日)

山田 佐世子 29回生

昭和大学医学部卒
井上レディースクリニック 麻酔科医師
昭和大学横浜市北部病院 麻酔科 研究生

目標は「生まれてから、子を産み・育て、そして旅立つまで」女性をトータルに支える仕事の展開。医療現場で最も大切にしていることは「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい」という聖書のゴールデンルール。

私は現在、生命誕生の場で「生まれる」ことのサポートにあたっています。
純心時代の宝は沢山ありますが、一番は良き師、良き仲間に恵まれたことです。親友と共に福生の“ゼロバス”で豚舎の芳しき匂い(最近なくなりましたね)に包まれながら学校へ。向かう先はもちろん自習室ですが、「シスターの生活って謎だよね」と、興味津々お御堂の入り口までもぐりこんでみたり(笑)。先生方の研究室にはよく遊びに(いえ、質問をしに)行きました。目標とする医学部入学を手に出来たのは、通常授業以外の手厚い個別指導のおかげが大きかったと感じています。

子育てをしながら無事に医学部を卒業し、臨床の場に出てから初めの6年間は主に手術室、集中治療室、ペインクリニックで学び、「麻酔」という専門性を身につけました。その後5年間、がん患者様とそのご家族のつらさを和らげるお手伝いをする「緩和ケア」に携わっておりました。今後は、「生まれてから、子を産み・育て、そして旅立つまで」女性をトータルに支える仕事を地元多摩地区で展開していきたいと考えています。

決して順風満帆で計画的な道のりではなく、時に突っ走り、時に躓きながらも自分を省みて、「目の前のことに忠実に、コツコツと」取り組む中、気づけば今の自分に至っています。今回是非、皆さんと共有したいことは、私が医療の場で最も大切にしていること「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなた方も人にしなさい」という聖書のゴールデンルールです。


森 文 30回生

津田塾大学学芸学部英文学科卒
オリンパス株式会社 知的財産企画部

英語力を生かせる仕事に従事。学力に加えて感謝や奉仕の精神を学んだことは得がたい財産。

私は現在、オリンパス株式会社の知的財産企画部という部署で商標の担当者して、世界各国で取得した商標権の維持に係る業務を担当しています。2004年2月に中途入社し、3ヶ月前に勤続10年を迎えたところです。それ以前は特許事務所で3年間、外国事務担当として働いていました。また、私生活では3人の息子がいます。育児と仕事の両立は体力面では大変ですが、精神面ではバランスがとれていると思います。一日の時間は母親としての、そして会社員としての時間が大半を占め、ほとんど自分の時間というものはありませんが、今はそういう時期と割り切って、慌しくも楽しい毎日を送っています。

純心時代の6年間は、とても平和な時間であったと思います。静かな環境で、どこか似たところのある友人たちと、学業に加えて感謝や奉仕の精神を学んだことは得がたい財産になりました。勉強に関しては、私は英語が好きでしたので、英語の勉強に力を入れました。大学でも専攻したのでそれを生かしたいと思い、英語力が必要とされる仕事に就きました。現在仕事で使っている英語は実務を通じて身に着けてきたものですが、そのベースにあるのは間違いなく純心で学んだ英語です。そのお陰で外国業務の担当者として仕事をする現在があると感じています。

好きな英語を生かせる仕事として、たまたま知的財産業界に足を踏み入れて10年以上になります。興味を持ち続けられ、また自分も成長できる仕事に出会えたこと、出産を経ても仕事を続けられる環境に感謝して、これから先も働く母親として歩いていきたいと思っています。


小島 見和 38回生

東京大学理科Ⅰ類卒
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 伊藤毅研究室博士課程
東京造形大学非常勤講師
(H28年現在 東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程)
(H28年現在 トゥールーズ大学ジャン・ジョレス校歴史学部近世史修士2年在学中)

都市史研究を生涯の仕事に。純心で学んだ大切なこと「「謙遜するとは自分を卑下することではなく、自分をありのままに認めること」。

現在私は、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻の博士課程に在籍し、建築と都市の歴史を研究しています。特に専門としているのは、南フランスのラングドック地方という地域の都市と村落の歴史です。時代は近世(16-18世紀頃)を対象に、古い文書や地図・絵図などを使って、都市や村落がその周辺にどのような領域を形成してきたかということを研究しています。目下取り組んでいるのは、16世紀の家畜放牧をめぐる裁判文書の解読と、それに関係する絵図の分析です。また、今年の4月から、東京造形大学という美術大学で非常勤講師として近代建築史の講義を受け持っています。こちらは、18世紀末から第二次世界大戦終結頃までのヨーロッパとアメリカの建築の歴史を、インテリアデザインやインダストリアルデザインを学ぶ大学生に教える仕事です。

純心に在学していた頃、私は高校2年生で専門美術コースを選択し、芸大のデザイン学科または建築学科に進学したいとぼんやり思っていました。高校2年生の間にしだいに建築を学びたいという希望が強くなり、建築学科は工学部にある場合が多いので3年から理系クラスに選択を変更し、一浪して東大の理科一類に入学することができました。その後建築学科に進学して、設計などにも熱心に取り組みましたが、学部4年生のときに都市史研究に惹かれ、これならば一生取り組んでも飽きることはないだろうと感じたので、現在の研究生活に至ります。

純心で学んだことの中で、重要だと感じるのは「謙遜するとは自分を卑下することではなく、自分をありのままに認めること」ということです。自分の能力を他の人に対して十分にプレゼンテーションしなければならないとき、それに成功するためには、まず自分自身が自らの能力についてごまかさず冷静に分かっていなければなりません。勉強でも仕事でも、自分の能力の限界を試されるような局面においていつも痛感しています。

今後の私の目標は、3年から4年以内に今の研究を博士論文にまとめ、東大の大学院で審査を受けて博士の学位を取得することです。またその先の夢としては、さらに南フランスの都市史研究を続けて研究書あるいは一般書として面白いものを書きたいという希望があります。


谷内 絵理 38回生

慶應義塾大学法学部法律学科卒
人事院事務総局企画法制課企画専門官
(H28年現在 人事院人材局企画課人事交流企画官〈併〉
参事官補佐〈併〉女性任用企画官)

学園標語「マリア様、いやなことは私がよろこんで」この精神は国家公務員としても大切な姿勢。全体奉仕者としてのロールモデルになれるよう成長したい。

私は、人事院という国の機関で国家公務員として働いています。世間でいうところの「キャリア官僚」ではありますが、実際には、ほとんどの官僚がデスクワークを基本としており、電話やメールで交渉・調整を行うなど、仕事の仕方は民間企業と似ているのではないかと思います。

国家公務員と民間企業の一番の違いは、国家公務員が、ノルマや自社の営業利益のために働くのではなく、「全体の奉仕者」であるということです。法律を作っても事業を成功させても、それに比例して給料が上がったりボーナスが増えたりするわけではありません。それでも、国家公務員は、日本中の国民のために、全国各地で昼夜を問わず一生懸命働いています。

人事院は、そんな国家公務員が自分の能力・意欲を充分に発揮して働けるような環境を考え、支える機関です。私もその一員として、微力ながら、各府省からの疑問や要望に耳を傾け、改善できることはないか調整しています。仕事を進める上で大切なのは、職場の同僚、各府省、時には国民の皆様など、相手に寄り添うコミュニケーションだと思います。純心で学んだ学園標語の「いやなことは私がよろこんで」という精神や、気持ちの良い挨拶は、国家公務員としても大切な姿勢です。

純心の先生方や頼もしい先輩の学園標語を体現する背中を「全体の奉仕者」のお手本として、純心時代の友達と支え合いながら、いつかは純心や人事院の後輩たちの立派なロールモデルとなれるよう、成長していきたいと思っています。


小宮 理奈 41回生

早稲田大学法学部卒
London School of Economics人権学修士
国連UNHCR協会 事業部
(ユニセフや国際NGOを経て、2015年7月よりUNHCRタンザニア・カスル事務所にてブルンジ、コンゴ民主共和国からの難民保護に従事、現在に至る)

人生は、一歩踏み出すと驚くほど違う景色が見られるもの。世界情勢がますます深刻化するなか、自分がどのように難民保護に携われるか模索したい。

現在、私は国連UNHCR協会に勤務し、主に広報を担当しています。国連UNHCR協会は、難民(紛争や迫害によって自国を逃れた、あるいは強制的に追われた人々)を保護する国連機関であるUNHCR(ユー・エヌ・エイチ・シー・アール、国連難民高等弁務官事務所)の支援窓口として、民間に対する寄付金集め・広報を行っている団体です。また、ライターとして新聞や月刊雑誌にも寄稿しており、現場での経験を活かし、アフリカや難民などの国際問題を分かりやすく日本の人々に伝える活動をしています。

中学3年生の社会の授業(中島先生のです!)で国際協力に興味を持ち、以来国際協力一筋のキャリアを積んできました。大学の早期3年次卒業、海外大学院進学、アフリカでの勤務など、今まで大きな決断をいくつもしてきましたが、その際に原動力となるのは「好奇心」「楽観主義」および「意思の強さ」だと感じています。そしてこの3つの「ちから」を伸ばしてくれる環境が純心にあったと、今振り返っています。

2013年8月に日本に帰ってきましたが、今後近いうちにまた国際協力の現場に戻ろうと考えています。途上国での暮らし・仕事はツライこともありますが、日本では会えない人、見ることのできない風景、味わうことのできない食べ物が自分を待っていると思うだけで、ワクワクします。人生は、一歩踏み出すと驚くほど違う景色が見られるものです。時には臆病になりながらも、マイペースに自分の道を突き進められればと考えています。


佐近 彩 41回生

東京工業大学理学部化学科卒
東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻
植草研究室 博士課程2年生日本学術振興会特別研究員
(平成28年現在は博士号を取得し、中外製薬株式会社研究本部に所属)

研究者の使命は社会に貢献すること。研究論文発表や研究者間のコミュニケーションに必須の英語力は純心教育の賜物。

私は現在、有機分子の結晶(固体)について、その「結晶構造(ミクロな観点:結晶中で分子がどのように並んでいるのか)」と「物性(マクロな観点:安定性、溶解性、色など)」の関係性に興味を持ち、研究を行っています。特に、医薬品原薬は製造・加工・保存などの過程で全て結晶状態として取り扱われることが多く、安定性や溶解性が非常に重要であるため、今の私の主な研究対象となっています。

純心時代に学んだ非常にたくさんのことの中でも大きく役立っているのは、英語をしっかりと学習し身に付けられたことです。理系は英語が出来なくても大丈夫と思われがちですが、文献は全て英語で書かれているので読解力が必要ですし、自身の研究内容を論文として投稿する際も英語です。海外での研究内容の発表や研究室の留学生との会話でも英語が必須となるので、一番吸収力がある中学、高校生の時にきちんと英語を学べる環境にあったことは本当に良かったと思っております。

将来的には、まずは博士号を取得しその後はどんな形であっても(企業でもアカデミックでも)研究者として働きたいと考えています。研究とは、自分が世界で最初に、ある現象を発見・解明をする、つまり誰も知らないことを明らかにするということであり、これが魅力の一つです。また、研究によって社会に貢献することが研究者としての使命だと考えております。現在は、理想の研究者になるよう、日々努力を重ねているところです。