レクチャーコンサート~歌とオルガンが織りなす『旧約聖書』の世界~を開催しました

 朝から心地よい秋晴れに恵まれた10月7日(土)、江角記念講堂には100名を超えるお客様をお迎えしました。開演前から沢山の方がお集まりくださり、開場時間を早め、皆様に講堂内でお待ちいただくことにしました。ホワイエには、昨年同様、本学図書館の蔵書から関連深い美術作品の画集を展示しました。田尻真理子先生による選書は、旧約聖書の場面を描いた様々な画家の作品の他、今回のメインビジュアルとなった写本、聖書が導く平和を題材とした作品まで実に幅広いものでした。特に写本の頭文字の装飾については詳しい解説も執筆され、ご来場の方には、開演までのお時間、ゆっくりとご覧いただくことができました。

 前半のレクチャーは、詩篇について、その成り立ちから構成、そして込められた祈りについて米沢(鏑木)陽子先生がわかりやすく説明されました。特に、込められた祈りについては、聴衆の心に訴えかけるものが強く、感想で触れられている方が多くおられました。当日資料には、演奏される「聖書の歌」の歌詞の元となった聖書の詩篇も対で記されており後半のコンサートをより深く味わう一助となりました。

 後半のコンサートは、オルガン独奏の3曲が演奏された後、ゲストの高橋ちはるさんが登場。10曲からなる「聖書の歌」をチェコ語で歌唱されました。お二人は背中合わせにもかかわらず、まるで向き合って呼応するかのような調和が美しいハーモニーとなり、会場を包み込んでいました。作曲者のドヴォルザークの母語で歌唱することで作曲者の心に近づこうとされたお二人の演奏は、争いの絶えない混迷の世界への平和を願う祈りのようでもありました。

展示した図書と図版のリストは以下からご覧いただけます。

展示した図書一覧

展示した図版の旧約聖書及び掲載図書との対照表